避妊に失敗したらアフターピルを飲めば妊娠を回避できることを知っている人は多いと思いますが、アフターピルにはどんな種類があるのか知っているという方は少ないと思います。
そこでこの記事では、アフターピルの種類の1つである、ノルレボ錠(レボノルゲストレル)の効果や副作用などにについて解説していきます。
実はノルレボ錠が開発されるまでは、「アフターピルは副作用が強い」という印象があり、人によっては服用した人がトラウマになるほどの吐き気などに襲われるということがしばしばありました。
しかし、ノルレボ錠が病院で取り扱われるようになると、副作用が以前の薬に比べて緩和されるようになりました。アフターピルは基本的にノルレボ錠やそのジェネリック薬をおすすめします。
この記事ではノルレボを服用するにあたって、事前に知っておきたい服用方法や副作用について解説しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
ノルレボ錠とは?
ノルレボ錠とは緊急避妊剤「アフターピル」の1種です。一般名はレボノルゲストレルで、製剤名はレボノルゲストレル錠ですが、一般的にはノルレボ錠と呼ばれます。
アフターピルにはいくつかの種類がありますが、ノルレボは副作用が少なく、妊娠阻止率(避妊率)が高いのが特徴です。また国内でもジェネリックが2011年頃に開発されており、実績もあるため、多くのクリニックで導入されています。
ノルレボ錠の効果や避妊率は
なぜアフターピルを服用すると妊娠を阻止することができるのでしょうか?それは排卵後と同じ体内環境を作ることで、卵子の発育・排卵、受精卵の子宮への着床を防止できるためだと考えられています。
ノルレボ錠の妊娠阻止率は85%で、避妊率は98.7%です。避妊に失敗しても女性は必ず妊娠するわけではありませんので、妊娠阻止率が85%でも、妊娠する確率は1.3%程度に抑えることができます。
なおノルレボ錠を利用して効果的に避妊を行うためには、性交後72時間以内に内服しなければなりません。72時間を過ぎても120時間後まで有効なアフターピルは「エラ」というアフターピルを処方されることが多いです。
もう少しアフターピルの効果や値段について詳しく知りたいという方は以下の記事がおすすめです。
なお薬価がノルレボ錠の方が安いため、72時間に間に合う方はノルレボ錠の利用を推奨しています。
ノルレボ錠の副作用は?
ノルレボ錠には強い副作用はほとんどありません。
アフターピルは強い副作用があると身構えてしまう人は多いでしょう。しかしアフターピルの副作用が強かったのは、ヤッペ法と呼ばれる、中用量ピルを複数錠内服する少し前の緊急避妊方法が一般的だったころのことです。
最新のノルレボ錠による緊急避妊であれば、強い副作用の危険性はほとんどありませんが、副作用が全くないわけではありません。国内の臨床試験では以下のような症状が報告されています。
使用成績調査では578例中46例(7.96%)に副作用が認められました。主な副作用は次の通りです。
- 悪心13件(25%)や下腹部痛4件(0.69%)等の胃腸障害23例(3.98%)
- 頭痛8件(38%)や傾眠6件(1.04%)などの神経系障害15例(2.60%)
- 正子宮出血7件(21%)などの生殖系および乳房障害12例(2.08%)
軽度な副作用が稀に起こる可能性があることは理解しておくようにしましょう。
また副作用ではありませんが、ノルレボ錠の服用を避けなければならない方もいます。
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴(これまでにかかったこと)のある女性
- 重篤な肝障害のある患者(ノルレボ錠により肝臓への負担が増加するため,症状が増悪することがあります)
- 妊婦(女性胎児の性器の男性化、男性胎児の女性化などの危険性があります)
- 授乳中の人(ノルレボ錠の成分が乳汁中に移行します)
これらの方はノルレボ錠を服用できません。また特定のお薬を内服している場合や特定の食材を摂取している場合には、ノルレボ錠の効果が弱まってしまうことがあります。
アフターピルを服用する際には、必ず医師に相談しましょう。
ノルレボの値段は?ジェネリックもあるの?
ノルレボ錠の値段は種類によって異なります。そこで一部の例を紹介します。
診察料 | 無料 |
ノルレボ錠1.5mg | 17,600円 |
レボノルゲストレル錠1.5mg「F」(ノルレボ日本製ジェネリック) | 9,900円 |
i-pill(ノルレボ海外製ジェネリック) | 5,500円 |
最新のノルレボ錠1.5mgは1万7,600円と少し高いと感じるかもしれません。しかし日本製のジェレリックなら9,900円で購入できます。「日本製だから安心」と1番人気の種類です。
またインド製のジェネリックであるi-Pillなら5,500円です。日本製のジェネリックに人気は劣りますが、有効成分はもちろん変わりません。またインドはジェネリックに強い国です。できるだけコストを抑えたいという方は、i-Pillを選ぶことをおすすめします。
また性被害を受けてアフターピルが必要になった場合には、一定の条件のもとでアフターピルの費用を一定額まで警察に負担してもらえるケースがあります。
該当するかわからない方は、ひとりで悩まずに以下の相談窓口にしてみることがおすすめです。
情報発信元 警視庁 犯罪被害者支援室 電話:03-3581-4321(警視庁代表)#8103(全国共通の短縮ダイヤル番号) URL:https://www.npa.go.jp/higaisya/seihanzai/seihanzai.html |
服用方法
ノルレボ錠は性交後72時間以内に1錠服用するだけです。服用に際して難しいことはありません。
ただノルレボ錠の比較的多い副作用として吐き気がありますが、嘔吐してしまうと避妊に失敗することがあります。
服用後何時間後に嘔吐したかによって対応は異なりますが、再度アフターピルを内服しなければならなくなる可能性があります。服用後2時間以内に嘔吐した場合には、再内服が推奨されます。
しかし続けて飲めばより強い悪心が副作用として現れることがあるため、悪心がでても嘔吐してしまわないように、注意しましょう。
また2時間以上経過しても嘔吐してしまえば避妊率が下がってしまう可能性があるため、ノルレボ錠の服用後は、お酒は控えることをおすすめします。
ノルレボ錠のよくある質問
ここからはノルレボ錠に関してよくある質問を解説していきます。
ノルレボ錠を服用すると生理はこなくなる?
ノルレボ錠を服用することで体内の環境が変わり、生理のタイミングがずれることはありますが、生理がこなくなることはありません。
ノルレボ錠で避妊に成功すると個人差はありますが、7〜10日前後で生理がくることが多いです。人によっては3日程度でくる場合や、2週間程度でくることもあります。
ただノルレボ錠を内服後の生理は本来の自然な生理とは異なる、お薬の効果によって生じた生理です。通常の生理も別にくることもあり、その場合は月に2回生理がくるということです。
なおノルレボ錠を内服して3週間しても生理がこない場合、妊娠の危険性があります。医師に相談しましょう。
退出出血が起きてしまった!どうしたらいいの?
退出出血はノルレボ錠に限らず、アフターピルによくある症状です。焦る必要も治療の必要もありません。通常の生理と同様に対応しましょう。
ただし気になる症状がある場合には、治療の必要がある可能性があります。医師に相談してください。
性交渉から72時間をすぎてしまったら効果はない?
性交渉から72時間を過ぎてしまってもノルレボの効果はあります。ただし120時間以内の摂取では妊娠阻止率が63%まで下がりますが、避妊率は大きくは変わりません。
ノルレボ錠の阻害率を85%にしたとき、アフターピルを使用しない場合の妊娠率は次の式より8.7%です。
妊娠率=避妊率0.013(1.3%)×{1-妊娠阻害率0.85(85%)}=0.086666≒0.087(8.7%)
そして妊娠率が8.7%であれば、ノルレボ錠の妊娠阻止率が63%まで下がっても避妊率は4%です。
アフターピルの中にはノルレボ錠とは異なる有効成分で、120時間後までノルレボ錠と同様の効果を発揮するエラがあります。もし性交後72時間をすぎてしまった場合はエラを処方してもらうのがおすすめです。
通販で購入しても大丈夫?
通販でも個人輸入を代行する形で各種アフターピルを購入できるようになりましたが、通販での購入は避けるようにしましょう。
通販で購入した薬は本物である確証がないからです。体に害を与えることはないかもしれませんが、アフターピルだと思ったものがアフターピルでなければ妊娠してしまう可能性があります。
またピルを飲まない方がよい人もいるうえ、副作用の危険性も0ではありません。そのためノルレボ錠を内服するならクリニックに行くか、オンライン診療を利用しましょう。
