「避妊リングに興味があるけど、どんなものかわからない」とお悩みではありませんか?
避妊リング利用者は日本ではまだまだ少数派でなため、あなたの身の回りで試したことがある人もあまりいないのではないでしょうか。
そこで避妊リングとは何か・効果と費用・2種類の避妊リングについて解説していきます。避妊や月経の改善に興味がある方は参考にしてみてくださいね。
避妊リングとは?
避妊リングとは子宮内に挿入して避妊や月経過多・月経困難症の治療を行うための道具「IUD(Intrauterine Device)」の総称です。現在はT字型のものが多いですが、以前はリング型のものが多かったため、現在の名称で呼ばれています。
膣内ではなく子宮内に挿入する器具のため自身での挿入は不可能です。利用する場合には、病院で挿入を行ってもらう必要があります。
1970年代に粗悪品が回収される事件があって以降は、危険なものだという誤解をされることもありますが、近年は有用性を主張する論文も多いです。
日本国内では利用者数は多くありませんが、近年注目を集めており、アメリカでは避妊を行っている女性の10%が利用しています。
避妊リングの効果と費用
避妊リングには月経の改善と避妊の2つの効果があります。名称からは避妊が主な効果だという印象を受けるかもしれませんが、月経の改善で利用する女性の方が多いとも言われています。
まず、避妊リングから放出される黄体ホルモンには着床に欠かせない子宮内膜の増殖を抑える働きがあります。子宮内膜が薄くなることで妊娠の成立を妨げたり、子宮の入り口の粘液の粘度を変化させ、精子が子宮内に登ってくるのを防ぐことで避妊効果を発揮します。
排卵日に向けて厚くなった子宮内膜が剥がれ落ち排出されることで起こるのが月経です。黄体ホルモンで子宮内膜の増殖が抑制されれば、月経量も減少します。また同時に月経痛も軽減されます。
これらの効果は使用する製品によって異なり、3?10年効果が持続するものもが多いです。
避妊を目的として利用する場合、保険が適用されないことが多いですが、月経の改善を目的とする場合には適用されることが多いです。
費用は挿入3万5,000円・抜去1万5,000円程度が相場です。(※クリニックによって異なります)
ただし、いくつかの種類があり、仕組みが異なることがありますので、気になる方はかかりつけの医師に相談しましょう。
避妊リングの種類
避妊リングは主に器具から放出される成分によって、2種類に分けられます。それぞれ紹介していきます。
銅放出型
銅イオンが付加されており、子宮内で銅イオンを放出するのが銅放出型です。「銅付加IUD」と呼ばれます。黄体ホルモンは含まれていません。
特徴
銅放出型の特徴は高い避妊効果です。避妊リングは1970年頃には実用化されていましたが、避妊効果の面ではピルに少し劣るといわれていました。しかし精子の運動性を低下させ、子宮への精子の侵入を防ぐ効果のある銅イオンを付加した銅放出型ならピルと同程度の避妊効果を期待できます。
ただし子宮内膜の増殖を抑制する黄体ホルモンが付加されていないため、月経の改善効果は期待できず、挿入後は月経が増えることがあります。
銅放出型のリング
銅放出型の製品を一部紹介します。
- マルチロード
- マルチランAG社製銅付加IUD
- ノバT
プロゲスチン放出型
プロゲスチンは人工的に製造された黄体ホルモン作用を持つ物質です。子宮内でプロゲスチンを放出するのがプロゲスチン放出型です。「IUS」とも呼ばれます。
特徴
プロゲスチンが黄体ホルモンと同じ作用をすることで、子宮内膜の増殖を抑制します。そのため着床が難しくなり避妊効果があるだけでなく、月経量の減少や月経痛の低下効果が期待できます。
プロゲスチン放出型のリング
避妊リングを利用できない人
避妊効果や月経の改善効果が期待できる魅力的な器具ですが、利用できない女性もいます。次のような症状のある女性は使用できません。
- 銅アレルギーや銅代謝異常がある
- 性器の悪性腫瘍やその疑いがある
- 原因の特定できていない異常性器出血がある
- 性器感染症(カンジダ症を除く)がある
- 過去3ヵ月以内に性感染症に感染したことがある
- 子宮頸管炎または腟炎にかかっている
- 出血性素因がある
- 貧血を伴う過多月経がある
- 重篤な疾患がある(産婦人科領域外含む)
他にも先天性の心疾患がある女性やてんかんのある女性、出産経験のない女性は使用に注意が必要です。
避妊目的、もしくは妊娠前であればまずはピルがおすすめ
避妊目的の方や妊娠前の方にはピルをおすすめします。
ピルは避妊リングと同じもしくはより高い避妊効果を持ちます。また任意のタイミングで簡単に避妊をやめることが可能です。避妊リングは効果の継続期間が長い代わりに5万円程度の費用がかかりますが、ピルなら月に3,000円程度に抑えられます。
以前はピルは副作用が強いイメージがあったかもしれませんが、現在のピルは副作用は小さいです。避妊リングよりも気軽に利用できます。
ピルの購入はオンライン診療がおすすめ
低用量ピルは定期的に服用する必要があるため、購入するならオンライン診療がおすすめです。
ピルは病院で処方してもらう必要があり、薬がなくなればその都度婦人科にかからなくてはならず、いちいち病院へ行かなくてはなりませんでした。
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