i-pill(アイピル)の効果や副作用、飲み方などを知りたいと思っているあなた。「避妊せずにセックスをしてしまった」「セックスの途中でコンドームが破れていることに気が付いた」など緊急避妊が必要になって、どのアフターピルを飲むのが一番良いのかと迷っているのではないでしょうか。
この記事では、アフターピルの一つであるi-pillについて、効果や副作用はもちろん、飲み方や購入方法、利用できない人などについても詳しく解説します。「本当にi-pillを選んで大丈夫かな」「他のアフターピルと比べてどうなの?」など、利用にあたって不安や迷いを感じている人は参考にしてください。
i-pillとは
i-pill(アイピル)は日本の病院でも広く処方されているアフターピル(緊急避妊薬)です。避妊が行われなかった性行為や、避妊をしていても失敗してしまった性行為の後に服用し、高い確率で望まない妊娠を回避することができます。
日本国内では未承認の薬ですが、2007年の販売開始から世界各国で多くの女性に利用されており、安全性や効果が世界的に認められている薬です。
効果
i-pillの効果は緊急避妊です。i-pillに有効成分として配合されているレボノルゲストレルという黄体ホルモンの働きで、一時的に排卵が行われないようにしたり、受精卵の着床を阻止したりといった作用があります。妊娠成立の条件である受精または着床のどちらかを阻止することによって妊娠を回避するというのがi-pillによる避妊の仕組みです。
では、i-pillの避妊効果をご覧ください。
妊娠阻止率 | 84% |
妊娠率 | 1.2~2.1% |
妊娠阻止率とは、i-pillを利用した人全体ではなく、i-pillを利用した中でも特に排卵の時期付近に性行為を行っていて妊娠の可能性が高かったと考えられる人の中で薬によって妊娠を阻止できた確率のことです。i-pillを服用した人全体で見れば妊娠率は1.2~2.1%であり、およそ98~99%程度の確率で避妊できていることが分かります。
また、i-pillを含むアフターピルは、性行為から薬を飲むまでが早ければ早いほど効果が高まることが特徴です。性行為から12時間での服薬と72時間での服薬では、前者の方が避妊に成功する可能性が高まります。
特徴
i-pillは2007年にインドのCiplaという会社によって発売されたアフターピルです。インド国内だけでも年間4億円を超える売り上げを誇るなど、緊急避妊のための薬として発売から非常に信頼されてきました。後に、Piramal Healthcare社へ販売権が売却されましたが、現在でも国内外で安全且つ効果のある薬として利用され続けています。
そんなi-pillの特徴は、日本でも承認されている薬であるノルレボ錠のジェネリック医薬品であるという点です。ノルレボ錠は1999年にフランスの製薬会社から発売された薬で、現在ではWHOからもエッセンシャルドラッグとして定められるなど、世界的に認められています。ジェネリック医薬品は先発医薬品と同じ有効成分で作られた薬で、同等の効果が認められた医薬品のことです。1999年から現在に至るまで安全性や効果がしっかりと実証されているノルレボ錠と同じ有効成分で作られているi-pillは、ノルレボ錠よりも安い価格ながら安心して利用できるという大きなメリットがあります。
飲み方
i-pillは無防備な性行為を行ってから72時間以内に1錠を飲む薬です。以前日本で利用されていたヤッペ法では、12時間の間隔を空けて計4錠もの薬を飲む必要がありましたが、i-pillでは1回1錠で効果を得ることができるため、利用者の負担が軽くなりました。
また、72時間以内の服用で一定の効果が得られるとはいえ、前述の通り服薬のタイミングが早ければ早いほど効果が高まることが分かっているため、できるだけ速やかに服薬することをおすすめします。
副作用
i-pillを服用した際に出現する可能性のある副作用は下記の通りです。
- 吐き気
- 頭痛
- 乳房の張り
- 眠気
- 疲労感
- めまい
- 腹痛
- 不正出血
しかし、i-pillを含むレボノルゲストレルを有効成分とするアフターピルは、副作用が非常に軽いことで知られています。日本でレボノルゲストレル系のアフターピルが利用され始める前には、ヤッペ法という副作用の強い方法が利用されてきましたが、i-pillでは副作用を感じない人や、副作用の症状が現れても極めて軽微な症状で済む人がほとんどです。重大な疾患に繋がった例や、将来的な妊娠機能に影響を与えるリスクは確認されておらず、安心して利用することができます。
ただし、吐き気の症状には注意が必要です。薬は服薬から2時間程度経過しないと十分に有効成分が摂取できないため、それまでに嘔吐してしまうと満足な効果が現れないことがあります。万が一すぐに嘔吐してしまった場合はもう1錠追加で飲む必要があるため、速やかに病院を受診してください。基本的に、i-pillと吐き気止めなどの薬は併用できるため、一度嘔吐してしまった場合は併せて吐き気止めを処方してもらうことも考えましょう。
服用できない人
i-pillは安全性の保証された薬であり多くの女性が利用できますが、下記のように一部利用できない人もいます。
- すでに妊娠している人
- i-pillおよび同一成分の薬で過去に薬物過敏症の症状があった人
まず、すでに妊娠している人はi-pillを服用しても無意味なため、薬を処方してもらうことができません。万が一妊娠に気づかずi-pillを服用してしまったとしても、進行している妊娠を直接阻害することはないとされています。
そして、過去にi-pillや同一の有効成分を含む薬で薬物過敏症の既往歴がある人も使用することができません。薬物過敏症とは、薬の成分によって本来示されるべきではない異常な症状が見られることを言います。アフターピルにはi-pillと成分の異なる薬もあるので、i-pillの成分で過敏症の症状が見られた場合は別の薬を検討しましょう。
また、下記に当てはまる人はi-pillの利用にあたって慎重な検討が必要になります。
- 肝臓機能が低下している人
- 心臓や腎臓に疾患がある人
- ごく僅かな期間の間に複数回目の緊急避妊となる人
重度の肝障害がある場合、症状が悪化するケースがあるためi-pillを服用できないことがあります。また、同様に心臓や腎臓の疾患がある人も、疾患の程度によって慎重に服用の可否を判断しなければいけません。
また、i-pillはあくまでも緊急時に妊娠を回避させるための薬であり、何度も繰り返し飲むことを想定しているものではありません。わずか数日などごく短期間で複数回目の利用となる場合、服用できなかったり、服用しても十分な効果が認められなかったりすることがあるので医師の判断に従いましょう。いずれにしても、安全性を保つため自己判断ではなく医師の指示に従って服用するようにしてください。
i-pillの購入方法
i-pillに限らず、アフターピルは医療用医薬品(処方薬)に分類されます。医療用医薬品とは、ドラッグストアなどで購入することができる一般用医薬品や要指導医薬品に対し、医師の診断によって処方される薬です。そのため、i-pillをドラッグストアで購入することはできず、医師の診察を受けて購入することになります。
しかし、通販サイトを介して購入するという抜け道が存在しており、購入にあたっては注意が必要です。ここで言う通販サイトとは、海外から薬の個人輸入を仲介するサービスのことを指します。販売などを目的とせず個人で利用するために海外から薬を購入すること自体は違法ではありませんが、通販での薬の購入にはリスクがあり、万が一のトラブルは購入者の責任となることを知っておかなければなりません。
まず、薬の個人輸入を仲介する通販サイトで扱われている製品には、偽物の薬が紛れているケースが指摘されています。偽物の薬では本来あるべき効果がないばかりか、何らかの健康被害を与える有害な成分が含まれている可能性も否定できません。特に、素人では見た目から本物か偽物かの判断をすることも困難です。
また、前述した通りi-pillは性行為から72時間以内に服用することが求められます。海外からの輸入には時間がかかるため、避妊に失敗してからすぐに注文をしてもこのタイムリミットまでに薬を受け取れるとは考えにくいでしょう。
i-pillを購入する場合はリスクの高い通販ではなく、医療機関を受診し、医師からの処方を受けて購入するようにしてください。何らかの理由で病院に行くことができないという人は、自宅からスマートフォンなどを利用したオンライン診療を受診して購入することもできます。
i-pillはオンライン診療で購入できます
この記事ではアフターピルのi-pillについて解説しました。日本国内だけでなく世界中で広く利用されているi-pillは、緊急避妊のための薬として安全性と効果が立証されています。ジェネリック医薬品なので購入にかかる経済的な負担を抑えられるという点もメリットの一つです。
安全に緊急避妊を行えるi-pillは、リスクの高い通販サイトではなく、医師の処方をもって購入することを強く推奨します。i-pillそのものは安全な薬ですが、通販サイトでは危険な偽薬が紛れている可能性が否定できません。医師からの処方よりも通販サイトの方が手軽に感じるかもしれませんが、現在はオンライン診療でもi-pillの処方を受けることが可能です。ビデオ通話機能を利用して診察を受けられるため、通販にも大きく劣らない手軽さながら医師の判断の下で安心して薬を利用できます。