「生理不順がおこってる。もしかして妊娠したのかな?」
あなたは今、そうお考えではありませんか?
生理が来なくて不安。心当たりもあるし、妊娠したのかもしれない。
もし、生理不順の原因が分かれば理想的ですよね。
この記事では現役の医師が「生理不順が来ない原因」と「妊娠かどうかの見分け方」について詳しく解説しています。
さらに、「病院に行く目安」についても解説しているので生理不順の不安が解消されます。
生理不順の原因を理解して不安を解消するために、この記事がお役に立てば幸いです。
生理が来ないのは妊娠しているから?
生理が来ていない場合に、偏頭痛や腰痛、だるさなどの症状がある場合、妊娠の可能性があります。
これらは妊娠初期によく出る症状のため、該当する場合には妊娠している可能性が考えられます。
ただし、1回の性行為で妊娠する確率は20~30%と言われており、心当たりがある場合でも妊娠していないケースもよくみられます。
これらの症状は風邪との区別が難しく、妊娠していても症状が出ないこともあるため、あくまで目安程度にしかなりません。
妊娠以外に考えられる原因は?
妊娠以外に生理が来ない原因として次の3つが挙げられます。
妊娠以外に生理が来ない原因
- 稀発月経・無月経
- 甲状腺の病気
- 早期閉経
稀発月経・無月経
前回の生理が開始してから39日以上たっても次の生理が来ない場合は稀発月経、3ヶ月以上来ない場合は無月経といいます。
医学的には生理周期が25日~38日の場合は正常とされており、これよりも遅い場合は生理不順と診断されます。
過度なダイエット、肥満、ストレスなどによるホルモンバランスの乱れによって引き起こされます。また、稀に子宮内膜症、子宮筋腫、子宮頸がんのような婦人科系疾患が原因であることもあります。
生理不順のある女性は全体の約6割も存在し、決して珍しいことではありません。
甲状腺機能亢進症
甲状腺機能亢進症とは、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されて生理が止まる病気です。
甲状腺機能亢進症がなぜ生理不順を引き起こすのか、詳しくはわかっていませんが、女性ホルモンの量をコントロールできなくなることによって生理が止まると考えられています。
年齢に関わらずおよそ100人に1人の割合で発症するといわれています。
早期閉経
早期閉経とは、40歳未満で閉経が起こり、生理が来なくなる病気のことです。
卵子は生まれた頃に数が決まっており、そこから新しく作られることはありません。あとは年齢と共に減少していき、通常50歳頃に閉経します。
何らかの異常によって卵子が急激に減少したり、卵子があっても発育が阻害されて排卵しないことで40歳未満にも関わらず生理が止まってしまいます。
30歳未満の1000人に1人、40歳未満の100人に1人にみられるといわれています。
どうしたら妊娠かどうかを見分けられる?
基礎体温をつける
基礎体温が14日以上高いまま下がらない場合妊娠が疑われます。
女性は低音期と高温期の2相に分かれます。排卵後、黄体ホルモンが分泌されるため体温が上昇し、通常14日ほど続きます。一方、妊娠している場合は、引き続き黄体ホルモンが分泌されるため、体温が下がらず高温期が続きます。
基礎体温をつけてない人は今からつけるようにしましょう。
妊娠検査薬を使う
妊娠検査薬は、市販のものであっても正しく使えば99%以上のの精度で判別することができます。市販のものでも正確な理由は、妊娠中にのみ分泌されるhCGというホルモンを検出するだけ判定できるからです。
また、妊娠検査薬は必ず生理予定日の1週間後に行ってください。これより前に行うと、hCGの分泌量が十分でないため正しく判定することができないからです。
急いで知りたいという場合には生理予定日に検査ができる検査薬を使用することもできます。
病院に行く目安は?
次のような場合には病院行く必要があります。
病院に行く目安
- 妊娠検査薬で陽性が出る
- 妊娠検査薬で陰性で2ヶ月以上生理が来ない場合
妊娠検査薬で陽性だった場合
妊娠検査薬で陽性が出た場合、ほぼ間違いなく妊娠しているといっていいでしょう。
異常妊娠でないかどうか検査する必要があるので、妊娠継続の意思の有無に関わらず病院を受診しなければなりません。
生理予定日の2週間後(妊娠6週)になると胎児の鼓動を確認できるため、これ以降のなるべく早い段階で病院を受診してください。
妊娠検査薬で陰性で2ヶ月以上生理が来ない場合
妊娠検査薬を適切なタイミングで行って陰性だった場合、生理不順の原因は妊娠ではなく、稀発月経、甲状腺機能亢進症、無月経のいづれかであると考えられます。
ホルモンバランスの変化や子宮に異常が起きている場合に放置しておくと不妊症やがんの原因になる恐れがあります。
一時的なホルモンバランスの乱れであることが多いですが、2ヶ月以上続く場合は卵巣の病気の可能性が考えられるため病院で検査を受けましょう。原因を把握して対処すれば改善することができますよ。
妊娠してた場合は病院で何をするの?
病院を受診すると診察・問診の後に内診と超音波検査を受けます。
超音波検査では、胎嚢があるかどうかを確認し、正常に妊娠しているかどうか確認します。
子宮外妊娠などの異常が見られず、流産も起こっていない場合には妊娠週数を修正して分娩日の決定へと移っていきます。
生理不順 妊娠 まとめ
今回は生理不順の原因は妊娠かどうかについて解説しました。
この記事のポイント
- 生理不順の原因は妊娠、稀発月経・無月経の2種類が考えられる
- 妊娠しているかどうかは妊娠検査薬を使って判別する
- 妊娠していた場合は正常妊娠かどうか確かめるために病院に行かなければならない
- 稀発月経、無月経の場合も子宮に異常がある可能性があるため、病院を受診する必要がある
生理不順の原因について深く理解して生理が来ない不安を少しでも解消するために、この記事がお役に立っていれば幸いです。