ピルとは?メリット・デメリットなどわかりやすく解説
「避妊したいからピルを飲みたいけど、どんな薬なんだろう?」と不安に思っていませんか?
ピルを飲むメリットは、実は避妊以外にもたくさんあります!
ピルにも様々な種類があって、特徴も違っており、自分の悩みに適したものを選ぶことが大事です。
この記事では、ピルの種類や避妊ができる理由、飲むメリットなどを解説しています。
正しく理解して、賢く飲むようにすると良いでしょう。
ピルとは?
ピルは経口用避妊薬とも呼ばれて、女性ホルモンが含まれる錠剤を服用することで、妊娠をコントロールすることができます。
避妊以外にも、月経困難症や子宮内膜症の治療目的で、使用されることもあります。
日本人女性の服用率は4%程度ですが、諸外国ではとても身近な存在です。
世界では1億人以上の女性が服用しており、フランスでは約33%、アメリカでは約14%の女性が服用しているというデータもあります。
臨床試験も活発に行われている、安全性の高い薬です。
ピルの種類は?
現在日本で使用されているピルは、低用量ピル・中用量ピル・アフターピル・超低用量ピルの4種類です。
それぞれの特徴や、飲むメリットについて解説します。
低用量ピル
避妊・月経移動・月経困難症の治療・子宮内膜症の治療などの目的で使用されます。
月経困難症の治療・子宮内膜症の治療目的では、保険適用される場合があります。
クリニックによって、保険診療を実施しておらず、すべて自費診療になる場合もあります。
毎日同じ時間に飲むだけで避妊が可能なこと、女性が主体となって行える避妊方法であることから、人気を集めています。
女性ホルモンの量が整うことで、生理不順、月経過多、生理痛、生理前〜生理中のイライラ・眠気・食欲不振、ニキビや肌荒れなどの改善にも役立ちます。
中用量ピル
低用量ピルと同様に、避妊・月経移動・月経困難症の治療・子宮内膜症の治療などの目的で使用されます。
低用量ピルに比べて多量の女性ホルモンが含まれており、副作用によるデメリットも大きいため、現在ではあまり使用されなくなりました。
低用量ピルでは治療効果を感じられない場合に、変更されることがあります。
中用量ピルを使用して月経移動をしたい場合、低用量ピルに比べて短い準備期間で月経移動を行えるというメリットがあります。
月経移動を目的として『プラノバール』というものがあります。
性行為後に避妊を希望する際にも、使うことができます。
アフターピル
アフターピルは、性行為後に避妊を希望する場合に使う『緊急用』のピルです。
コンドームが破れてしまった場合、コンドームをせずに性交渉してしまった場合などに使用します。
性交渉の72時間後までに服用すると、98%以上の高確率で避妊できます。
日本では、アフターピルが保険適用されておらず、すべて自費診療になります。
種類によって価格差がありますが、1万円以上必要になる場合が多いです。
超低用量ピル
超低用量ピルは、低用量ピルと同様に、避妊・月経移動・月経困難症の治療・子宮内膜症の治療などの目的で使用されます。
女性ホルモンの含有量が少ないために、女性ホルモンが原因となる副作用が起こりにくいと考えられています。
低用量ピルを服用し始めたものの、頭痛や吐き気といった副作用が辛い場合に、こちらに変更されることがあります。
ピルでなぜ避妊ができるのか
では、具体的になぜ飲むことで避妊できるのか、その仕組みを解説します。
3段階でバリアを作ることによって、ほぼ妊娠しない状態を作ります。
ピル(超低用量・低用量・中用量)には、『エストロゲン』と『プロゲステロン』という、2種類の女性ホルモンが含まれています。
『エストロゲン』と『プロゲステロン』は体内にもともと存在しているものですが、ピルを飲むことによって、体内の他のホルモンの分泌に影響して、避妊ができます。
引用:経口避妊薬(OC)について|OCによる避妊① | あすか製薬株式会社
- 服用すると『エストロゲン』と『プロゲステロン』の量が体内で増えます。
『エストロゲン』と『プロゲステロン』が体内で増えすぎることを防ぐために、脳から指令が出るので、卵巣からは『エストロゲン』と『プロゲステロン』が分泌されなくなります。 - 脳から指令が出ることで、『エストロゲン』を分泌させるFSH(卵胞刺激ホルモン)、『プロゲステロン』を分泌させるLH(黄体形成ホルモン)も減少するので、卵胞は発育せず、排卵も起こりません。
- 『プロゲステロン』の作用によって、子宮内膜が薄いまま保たれるので、着床しにくい状態になります。
- 『プロゲステロン』の作用によって、子宮頸管の粘液が変質して濃厚になるので、子宮内に精子が入りにくくなります。
副作用は上記でご紹介した薬の種類によって、少し性質が違います。
基本的にアフターピル以外は、同じような症状の副作用になります。
女性ホルモン量が増えるほど、副作用も大きくなりやすいです。
ピルの副作用によるデメリットとは?
超低用量・低用量・中用量の副作用
飲み始めの2〜3週間程度、吐き気・頭痛・不正出血・乳房のはりが起こる場合があります。
含まれる女性ホルモン量が多いほど、副作用があり、これがデメリットと言えます。
エストロゲンというホルモンの影響により、血栓ができるリスクが上がるという副作用があります。
しかし、妊娠中に血栓ができるリスクの方が格段に高く、血栓ができるリスクは微々たるものであり、それほど深刻に心配する必要はありません。
血栓ができていないことを確認するために、定期的に血液検査や血圧測定を行うクリニックが多いです。
アフターピルの副作用
アフターピルには、女性ホルモン量が多いために吐き気を感じる方が多く、中には嘔吐してしまう方もいます。
飲んでから2時間以内に嘔吐してしまうと、成分が体外へ出てしまい、効果が薄れます。
吐き気が出た場合は、できるだけ安静にし吐き気止めを飲む等の対処をして、嘔吐しないように注意しましょう。
ちなみにアフターピルには、エストロゲンという女性ホルモンが含まれていないため、血栓リスク上昇のデメリットはありません。
よくある質問
将来の妊娠に影響ある?
将来の妊娠には影響がありません!
妊娠を希望している場合、服用を中止して数ヶ月経てば、排卵が再開されて妊娠できるようになります。
服用を中止した約9割の方が、3ヶ月以内に排卵が再開されて、妊娠できる状態へ回復します。
また「服用歴」と「妊娠のしやすさ」には、関連がないこともわかっています。
服用していた人の中止後の妊娠率と、服用したことがない人の妊娠率には差がなく、服用年数の長さによる妊娠率の差もないというデータが出ています。
リング(IUD)や卵管結紮術で避妊している場合は、妊娠を希望している場合に病院で処置してもらう必要があり、手間がかかります。
ピルで避妊している場合は、服用をやめるだけで妊娠が可能になるので、簡単に妊娠できる状態へ回復させることができます。
ピルを飲んでも太らない?
体重増加の直接の原因になって太ることは、ほとんどないと言われています。
しかし、服用して生理痛や吐き気などが落ち着いたことで、生理前や生理中の食欲不振がなくなった結果、太ってしまうことがあります。
逆に、生理前や生理中に食欲が増していた場合は、食欲が元に戻って痩せることもあります。
また、ピルを飲むと女性ホルモンが増えるため、体内の保水力が高まり、水分が増えたことで体重が増えることがあります。
こちらは水分が増えただけで脂肪がついたわけではないので、それほど悩む必要はありません。
ピルの購入方法
「医療用医薬品」に分類されており、ドラッグストアなどで購入することはできません。
保険が適用される場合は、医師の処方せんをもとにして、病院や調剤薬局で処方されます。
保険が適用されず自費で買う場合も、医師の診察を受けてから、病院や調剤薬局で購入します。
海外通販などでも購入ができますが、通販での購入はリスクが高くおすすめしません。
- 営業目的の医薬品の個人輸入を規制する「医薬品医療機器等法」に違反している可能性がある
- いわゆる「ニセ薬」が送られてくることがある
- 医師の診察を受けないため、自分に適した種類を選ぶことができない
- 医師の診察を受けないため、服用自体が適していない場合も気づくことができない
- 医師の指導を受けないため、副作用についての知識がないまま服用してしまう
- 医師の指導を受けないため、飲み忘れた場合に正しく対処できない
リスクを抱えながら通販で買うと、効果がないどころか、体調を悪くしてしまうこともあります。
購入したい場合は、医師の診察を受けた上で購入しましょう。
どこでもピルを処方してもらえるオンライン診療がおすすめ
服用を始めるなら、どこにいても処方してもらえる「オンライン診療」がおすすめです!
オンライン診療なら、自宅にいながら医師の診察を受けることができて、薬を自宅まで届けてもらえます。
病院へ通う場合と、通販で買う場合のメリットのみを抽出したような形で、とても便利ですよ。
オンライン診療は、婦人科へ通うことに抵抗がある方にもおすすめです。
他の患者様と顔を合わせることがなく、病院へ足を運ぶ様子を見られることもないので、周りにバレずに服用を始めることができます!
実際に飲む場合、保険診療のクリニックでも、自費診療のクリニックでも、病院で払う金額はほとんど変わりません。
保険診療のクリニックは、交通費や待ち時間あることを考えると、オンラインの自費診療クリニックの方がお得かもしれません。
オンライン診療を利用して、服用を始めてみませんか?