妊娠してると熱中症になりやすい?症状、対策を詳しく解説します
妊娠
2023.08.10
「妊娠していると熱中症になりやすいの?」
そのようにお考えではありませんか?
最近気温が暑くなってきて体がだるい、熱中症なのかな。妊娠していると熱中症になりやすいなら、胎児に影響があるかもしれないから不安ですよね。
結論から申します。
「妊娠していると熱中症になりやすいです。」
この記事を読めばそのことがよくわかります。
本記事では現役の医師が妊婦が熱中症になりやすい理由、熱中症が胎児に与える影響について解説します。また注意すべき熱中症の症状や対策をご紹介するので、この記事を読めば妊娠と熱中症の関係について知ることができ、熱中症を防ぐことができるようになります。
妊娠と熱中症の関係の深い理解に、本記事がお役立てると幸いです。
妊娠していると熱中症になりやすいの?
妊婦は妊娠してない人に比べて熱中症になりやすくなります。
妊娠すると女性ホルモンの分泌に変化が起き、基礎体温が高くなります。そのため気温よりも体感温度が高くなるので、体は多くの汗を出して体温調節します。大量の汗をかくと水分や塩分不足なり、脱水症状をひきおこしやすくなるため、熱中症になりやすくなります。
また妊婦は赤ちゃんに栄養を届けるために、血液を循環する必要があるので、妊娠前より多くの水分を必要とします。
さらに妊娠の影響でつわりによって水分不足になりやすいので、脱水症状のリスクが上がります。
そのため以上の理由から妊婦は熱中症になりやすいと考えられています。
妊婦が熱中症になりやすい理由:「基礎体温が高くなるため汗をかきやすくなる」「赤ちゃんに栄養を届けるために水分が必要」「つわりによって水分不足なるため」以上の3つの理由より脱水症状になりやすいから。
妊婦が熱中症になったら胎児にどんな影響があるの?
熱中症になると体温を下げるために汗を大量にかくことで、酸欠や脱水症状が現れます。
妊婦が酸欠や脱水症状になると、胎児も酸素が行き渡らなくなり酸欠状態や脱水状態になってしまいます。
そのため熱中症が悪化すると、最悪のケースでは流産を引き起こす可能性があります。
注意したい熱中症の症状は?
熱中症は軽い軽度の症状から命に関わる重度の症状があります。
そのため母体や赤ちゃんに健康被害を出さないためにも、なるべく早く熱中症の症状に気付く必要があります。
今回は注意したい熱中症の5つの症状をご紹介します。
- めまい・立ちくらみ
- 大量の発汗
- 筋肉痛・筋肉の硬直
- 頭痛・吐き気
- 倦怠感・虚脱感
上記の5つの症状は熱中症の初期から起き、時間の経過とともにすぐに悪化するので重症に繋がります。
上記の5つのような熱中症の症状を感じた時は、必ず涼しい場所に移動しましょう。
その後、必ず水分補給をするようにしてください。そして首筋や股関節、腋などに保冷剤をあてて体温を下げながら、横になりましょう。また体調がよくならない場合は母体や胎児の命に関わるため、必ず病院を受診してください。
妊婦が行うべき4つの熱中症対策
熱中症はしっかりとした対策を行うことで、確実に防ぐことができます。今回は妊婦が行うべき4つの熱中症対策をご紹介します。
1日2リットルの水分補給を行う
一般的に日本人の推奨されている1日の水分摂取量は1.5リットル〜2リットルと言われていますが、胎児の発育には水分が欠かせないので、妊婦の方は2リットル飲むと良いでしょう。
しかし一気に水分をとっても吸収されずに排出されてしまうので、30分おきにこまめに取ることをおすすめします。
麦茶での水分補給を行うと、汗をかくことで失われるミネラルも同時に補給できます。
またつわりがひどくて少量の水分しか取れない方や、熱中症のような症状が出てている方には経口補水液をおすすめします。経口補水液は水分・塩分・ミネラルを一度に摂取でき、熱中症予防に最も効果のあるものです。
塩分を補給する
大量の汗をかいて水分補給だけを行うと、血中のミネラルや塩分濃度が低下していき熱中症の症状が出る危険があります。
そのため汗を多くかいた時は必ず塩分補給も同時におこないましょう。
簡単に塩分を取る方法は水分に少量の塩を入れて、飲むことがおすすめです。
ただ一方で塩分の取りすぎは妊婦高血圧症候群のリスクを高める危険があるので、注意が必要です。
風通しの良い服を着る
ピタッとした服は服と体の間に風が通らず、熱がこもりやすくなります。
そのため体温をあげないためにも熱を放出できる風通しの良い服を着るようにしましょう。
また黒などの濃い色は熱を吸収するのであまりおすすめしません。そのため服の色は熱を吸収しにくい白や淡い色の服がおすすめです。
エアコンで室内の温度調整を行う
総務省消防庁によると、2020年に熱中症になった方のうち44.7%が室内で発症したことが分かってます。
そのためエアコンで室内の温度調節を行うことが、熱中症予防には最も重要です。
エアコンの温度は26〜28度が妊婦にとって最適な温度となっています。
温度を下げすぎると体が冷えるので、子宮収縮を引き起こし可能性があります。したがってエアコンで室内が寒いと感じる場合は、腹帯やブランケットを使用しましょう。
妊娠と熱中症についてのQ&A
スポーツドリンクで水分補給しても良いですか?
スポーツドリンクはミネラルと水分を一緒に取ることができますが、大量の糖分を含んでいます。
妊娠中はインスリン作用の低下して血糖が上がりやすくなっているので、日常的にスポーツドリンクで水分補給を行うと糖尿病の危険があります。
1週間に1〜2回、飲むには問題はありません。しかし熱中症予防のために日常的にスポーツドリンクを飲むことは控えた方が良いでしょう。
つわりが酷くて水分を摂取することができない場合はどうすれば良いでしょうか?
つわりが酷くて水分補給を行えない方は、病院で点滴を打ってもらうことをおすすめします。
点滴は水分不足や栄養不足を補うことが可能です。
つわりの症状の軽減するためにビタミンB1・ビタミンB6を加えることもあります。
しかし水分を取ることができないほどつわりがひどい場合は、入院が必要なケースのあります。
もしつわりが酷くて水分補給ができない方は妊娠悪阻の可能性があるので、必ず病院を受診しましょう。
まとめ
今回は妊婦が熱中症になりやすい理由、注意したい熱中症の症状、妊婦の熱中症の対策方法、妊娠と熱中症についてのQ&Aについて詳しく解説しました。妊婦は通常よりも基礎体温が高くなるため熱中症になりやすくなります。しかし熱中症について理解して、適切な対策を行うことで予防することができます。
妊娠と熱中症の関係を理解に、本記事がお役に立ててれば幸いです。