「避妊なしでセックスをするとどうなるのだろう?」
「避妊をしなければすぐに妊娠してしまうのかな?」
そう疑問に思っていませんか?子供を望まないのであれば避妊をしなければならないと分かっていても、実際にどの程度の割合で避妊なしの性交渉が妊娠に繋がるのかはご存知ないでしょう。「ちょっとくらいなら避妊しなくても良いかな」と安易に考えている方は要注意です。
この記事では、避妊なしの性交渉で妊娠する確率をご紹介します。併せて、今後検討すべき避妊方法についても解説しますので、子供を望んでいない場合はきちんと避妊を行うようにしましょう。
避妊しない場合の避妊失敗率
例えば、コンドームを利用して避妊を行っている場合でも、避妊失敗率は2.0~18.0%になります。それに対し、妊娠を阻止する方法を一切使用せずに性交渉を行った場合の避妊失敗率は46.0%です。当然ながら、避妊なしで性交渉を行うとそうでない場合に比べて妊娠する確率が大幅に高くなるため、子供を望んでいない人は何らかの避妊方法を利用しなければいけません。
また、若い女性ほど自然に妊娠する可能性が高く、妊娠しやすい年齢のピークは20代前半です。妊娠しやすさは年齢と共に低下していき、40歳前後からは特に妊娠しにくくなっていきます。そのため、自然に妊娠する可能性が高い若い人ほど、子供を望まない場合は特に注意して避妊する必要があるのです。
避妊方法と避妊率比較
避妊なしの性交渉では妊娠の可能性が低くないため、子供を望まない人は避妊をしなければいけません。日本ではコンドームを利用した避妊が一般的ですが、避妊方法はコンドームだけではなく、方法によって避妊効果が大きく異なるため、しっかりと考えた上でより確実な方法を選択すべきです。
まずは一般的な避妊の方法と避妊方法別の妊娠失敗率をご覧ください。
- コンドーム
膣内に精液が入らないように、男性器を袋状のゴムで覆う方法 - 膣外射精
射精する直前に男性器を膣から抜き、膣内に精液を出さないようにする - オギノ式
月経周期から排卵日を予測し、排卵日の前後2~3日(危険日)に無防備な性交渉をしないようにする - 低用量ピル(経口避妊薬)
女性ホルモンを含む薬を毎日服用し、排卵や受精卵の着床を阻止することで妊娠を防ぐ - IUD
子宮内を受精卵が着床しにくい状態にする効果がある器具を直接子宮に挿入する - IUS
IUDに黄体ホルモンが付加されており、生理痛の緩和や過多月経の改善にも効果あるもの
避妊失敗率(理想的な使用※1) | 避妊失敗率(一般的な使用※2) | |
避妊なし | 46.0% | 46.0% |
コンドーム | 2.0% | 18.2% |
膣外射精 | 4.0% | 22.0% |
オギノ式 | 5.0% | 24.0% |
低用量ピル(経口避妊薬) | 0.3% | 9.0% |
IUD | 0.6% | 0.8% |
IUS | 0.2% | 0.2% |
※1理想的な使用…その方法を極めて正しく使用している場合
※2一般的な使用…その方法を使用している場合
日本で8割以上の人が利用しているとされるコンドームでは、正しく使用した場合でも2.0%、一般的に使用した場合では18.2%もの確率で避妊に失敗することが分かります。続いて広く利用されている膣外射精やオギノ式では、コンドームよりもさらに失敗率が高いのが実情です。
このように、コンドームや膣外射精、オギノ式といった、気軽に行えて多くの人が利用している避妊方法の失敗率は意外なほどに高く、決して確実に妊娠を阻止できるものではありません。避妊なら何でも良いと安易に考えるのではなく、子供を望んでいない人は注意して避妊方法を選択する必要があります。
避妊なら低用量ピルがおすすめ
避妊なしの性交渉ではもちろんのこと、コンドームや膣外射精、オギノ式での避妊も確実なものではないことが分かりました。そこで、より確実な避妊をしたい場合には低用量ピルの服用が効果的です。
低用量ピルには女性ホルモンが含まれており、排卵を抑制したり受精卵の着床を阻止したりする効果があります。毎日決まった時間に1錠服用し、正しく継続して使用していれば前項の通り避妊失敗率わずか0.3%です。この避妊効果は低用量ピルを服用している限り続くもので、服用を中止すれば通常3ヶ月以内に妊娠可能な状態に戻るため、低用量ピルを服用することで将来的な妊娠に悪影響を及ぼす心配はありません。さらに、過剰に多い経血を減らしたり、生活に支障が出るような重い生理痛を和らげたりといった効果もあります。
低用量ピルの効果についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、併せて読んでみてください。
低用量ピルとは?意外と知られていない避妊以外の効果や副作用についても解説!
低用量ピルの購入方法
低用量ピルは医師の処方が必要な処方薬(医療用医薬品)です。そのため、ドラッグストアなどでは市販されておらず、病院を受診して購入する必要があります。
海外から医薬品を直接輸入する海外通販サイトでも低用量ピルが取り扱われていますが、海外通販サイトを利用した薬の購入は危険です。海外通販サイトでは販売されている薬が本物であるという保証がなく、全く効果がなかったり危険な成分が含まれていたりする偽物の薬が紛れている可能性があります。
また、低用量ピルの副作用の一つである血栓症は重症化の危険があるものです。低用量ピルの服用にあたっては、定期的な検査や問診で血栓症のリスクがないかを確かめる必要があります。そのため、低用量ピルを購入するときは海外通販サイトではなく、必ず医師の処方を受けるようにしましょう。現在はオンライン診療でも低用量ピルを処方してもらうことができるようになり、多忙な人や定期的に病院に出向くのが億劫だという人も低用量ピルを利用しやすくなっています。
低用量ピルのよくある質問
低用量ピルを服薬するにあたって、まだまだその効果には疑問があるでしょう。ここでは、低用量ピルの効果に関するよくある質問について解説します。
いつから避妊の効果が出る?
低用量ピルは基本的に薬を飲み始めてすぐに避妊の効果が現れますが、一部の薬では飲み始めてすぐは効果が弱いことがあるため注意が必要です。まず、ピルは飲み始める日によって、大きく2種類に分けることができます。
- DAY1スタートピル…月経初日に服薬を開始する
- サンデースタートピル…月経が起こってから最初の日曜日に服薬を開始する
この2つの内、サンデースタートピルは飲み始めてすぐの1週間は効果が不十分であることに気を付けなければなりません。この期間は必ず他の方法を利用して妊娠を防ぐようにしましょう。
飲み忘れたら避妊の効果はなくなる?
ピルは毎日薬を飲むことで妊娠を阻止する作用があります。しかし、どれだけ気を付けていたとしても、うっかり飲み損ねてしまうことがあるでしょう。1日くらいなら効果が著しく弱まることはないとされており、過剰に心配することはありません。
しかし、2日以上続けて薬を飲まなかったり、数日に1回など頻繁に薬を飲み忘れたりするケースでは問題となります。この場合は効果が満足に現れないことが多いため、再びきちんと薬の服用を継続させるまでは必ず他の避妊を併用しましょう。
また、うっかり忘れてしまうことが多い人はスマートフォンのアラームアプリを使ってリマインドしたり、歯磨きとセットで薬を飲むと決めて洗面所に薬を置いておくといった置き場所の工夫をするなど、日々忘れずに薬を飲むことができるような対策を考えるべきです。
休薬期間中でも避妊効果はある?
ピルは28日を1周期と考え、21日の服薬と7日間の休薬を繰り返します。つまり28日の内7日は薬を飲まない日が続きますが、この期間にも効果がなくなったり薄れたりすることはありません。
もちろん休薬期間には、卵胞の発育や排卵を抑制するための女性ホルモンを摂っているわけではないため、卵巣は通常の活動を再開します。しかし休薬期間は、通常の月経サイクルにおける排卵が終わった時期に該当するので、この時期に排卵が起こることは考えにくいです。そのため、7日間の休薬期間であっても妊娠の可能性が高まるわけではないと言えます。
ピルを服用すればコンドームは不要?
低用量ピルを服用していればコンドームを使わなくても良いと考えている人も多いですが、基本的にはコンドームも併せて使用することをおすすめします。
まず、ピルの避妊失敗率は、正しく服用を続けていた場合で0.3%です。それに対し、飲まない日があるなどきちんと継続できていない場合の避妊失敗率は9%にもなります。このように、あくまでも100%妊娠を防ぐことができるわけではなく、特に飲むのを忘れることがあれば十分妊娠の可能性があるのが実情です。そのため、より確実に妊娠を回避するため、念のためコンドームも併せて使用しておくのが安心でしょう。
また、低用量ピルは避妊率こそ高いものの、性感染症を防ぐことができるものではありません。性感染症は性器同士または性器と口などの接触によって感染するので、男性器を覆うコンドームは性感染症予防に効果があります。性感染症を予防する観点から見ても、コンドームも利用することをおすすめします。
低用量ピルはオンライン診療で購入可能
この記事では、避妊なしで性交渉をしたときの妊娠率や、避妊失敗率の低い低用量ピルについて解説しました。特に若い人は妊娠の確率も高い傾向にあるので、子供を望んでいない場合はしっかりと避妊をしなければなりません。
低用量ピルは他の方法と比較しても圧倒的に失敗率が低いですが、以前は定期的に病院に行って処方してもらう必要があったため気軽なものではありませんでした。しかし、現在はオンライン診療を受けて低用量ピルを処方してもらうことができるようになったため、気軽さの面でも他に劣らない方法となっています。