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おりものでわかる体調の異常と対処方法

おりものは女性にとって大切なものです。「臭いが気になる」「下着が汚れるから面倒くさい」など、煩わしい存在のように思っている人も少なくないですが、女性の身体にとって欠かせない役割を果たしています。そんなおりものは、いつも同じ量や状態ではなく、時期によって違いがあることに気づいていますか?実は、おりものの様子を観察することによって生理周期や体調の異常などが分かるのです。

この記事では、おりもので分かる身体の変化について解説します。普段からおりものの様子をチェックする癖をつけ、不安な症状があればいち早く対処しましょう。

おりものとは?

おりものは女性の身体から排出されるややねっとりとした液体のことで、「帯下(たいげ)」とも呼ばれます。その実態は、子宮や膣から排出される分泌物の集まりです。

おりものは、主に下記の2つの役割を担っています。

  • 自浄作用
    細菌が膣から侵入したり、膣内で繁殖したりすることを阻止します。そのため、膣の中を必要以上に洗うと、反対に細菌の侵入を助けてしまうことになるので要注意です。
  • 妊娠しやすくする
    排卵日前後になると、おりものが精子の子宮への侵入をサポートすることで、受精を手助けします。

正常なおりもの

おりものの量や状態は常に同じではなく、生理周期の中で変化していきます。そのため、普段からおりものの状態を観察しておけば、生理や排卵の時期を予測する目安にもなるため、普段からトイレに行ったときに自分のおりものの様子をチェックするようにしましょう。

生理直後

生理が終わった後は、生理周期の中でも最もおりものの量が少ない時期にあたります。この時期は粘性も少なく、水のようなさらっとした形状になるため、おりものの分泌が分かりにくいことも多いです。生理直後には、経血の残りが混ざるため、やや茶色がかった色をしていることもあります。

排卵日前後

おりものには、受精を助け妊娠の成立をしやすくする役割があると解説しました。そのため、排卵日の近くになると、おりものは精子が子宮へ到達することを助けるための状態に変化していきます。

排卵前後の2~3日は、生理周期の中でもおりものの量が最も多くなるのが特徴です。排卵前から排卵日に向けておりものの量が徐々に増えていくため、量の増加によって排卵が近くなっていることを知ることができます。

また、排卵する時期のおりものは透明に近く、指で触ると糸を引くような粘り気のある形状です。この時期はおりものの臭いもあまり気になりません。

生理前

排卵が終わると一度おりものの量が減りますが、生理前になると再度量が増えていきます。生理前のおりものは白く濁っており、粘性の強いドロっとした状態です。生理直前になると血が混ざって茶色っぽい色になることもあります。

また、おりもの特有の臭いも強くなってくる傾向があるため、気になる人は通気性のよい下着を着用するなどの対策をしましょう。

注意すべき症状

生理周期によるおりものの変化は正常なものであり、心配する必要はありません。しかし、生理周期による変化とは異なる、いつものとは違ったおりものが見られた場合は注意が必要です。ここでは、気を付けるべきおりものの状態について説明しますので、これらのおりものが見られた場合は必要に応じて病院を受診するなどの対応をしてください。

ただし、おりものの状態には個人差があります。普段の自分のおりものの様子を把握していなければ判断が難しいため、日頃からおりものの状態をチェックする癖をつけるようにしましょう。

におい

通常、おりものは酸っぱいような嫌な臭いがします。この臭いはおりものに含まれる乳酸菌が元になっており、異常なものではありません。特に生理前の時期は臭いを強く感じる傾向にあります。また、おりものが分泌された直後には臭いが強くなくても、分泌されてから外陰部や下着の上で時間が経過すると、そこで細菌が増殖して臭いが増すことも少なくありません。

ただし、いつもとは異なる臭いがするときには注意が必要です。悪い細菌が増えると生臭いような臭いに変化することがあるため、普段と異なる嫌な臭いがしたら病院を受診するなどしてください。

かゆみ

女性の外陰部はデリケートなため、かぶれなどによりかゆみを感じることは珍しくありません。軽いかゆみであれば自然に治ったり、外陰部を清潔に保つことで改善したりすることもあります。

しかし、かゆみの症状が強い場合や、なかなか改善しない場合には一度病院へ行くことをおすすめします。この場合は、膣カンジダや膣トリコモナスといった性感染症が原因となっていることを疑わなければなりません。たかがかゆみだと考えず、気になる場合は病院を受診しましょう。

おりものは通常、無色透明か白っぽい色です。また、生理直前や生理直後に限り、経血が混ざって茶色っぽく見えることもあります。これ以外の色をしたおりものが見られた場合には病気の可能性が疑われますので、早めに医師の診察を受けてください。

その他に起こり得る症状 考えられる病気
黄色、黄緑色 悪臭、外陰部のかゆみや痛み 膣トリコモナス
黄緑色 悪臭、腹痛、発熱 淋菌感染症
灰色 悪臭、外陰部のかゆみや痛み 細菌性膣炎
茶褐色、赤褐色 悪臭 子宮頸がん、子宮体がん、膣炎 など

この中でも、黄色っぽいおりものは気づきにくいことがあります。正常な透明または白っぽいおりものであっても、下着の上で乾燥すると黄色がかって見えることがあり、異常時の黄色っぽいおりものと区別しにくいためです。できれば、トイレに行くときにトイレットペーパーに付着するおりものを見る癖をつけるなど、僅かな色の違いにも気づけるように工夫しましょう。

血液が混じる

生理直前や生理直後には経血が混ざって茶色っぽく見えることがありますが、それ以外の時期に赤や茶褐色の血が混ざったおりものが分泌されているときには注意が必要です。生理前後以外の時期に血が混ざったおりものが見られることは不正出血に該当し、何かしらの病気が潜んでいる可能性を疑わなければなりません。

この場合には、子宮や膣の病気の他、子宮体がん、子宮頸がんといった女性特有の癌の可能性もあるため、速やかに医師の診察を受けてください。

排卵時期や生理前にはおりものの量が増加します。しかし、それ以外の時期に大量のおりものが続いたり、量の増加と共におりものの状態にも異常が見られたりする場合は気をつけなければなりません。

まず、しばらくおりものの量が増えた状態が続いているときには妊娠が疑われます。おりものの量が多く、生理が遅れているときには一度妊娠検査を行ってください。

また、おりものの量が多く、臭いや色にも異常が見られる場合は膣カンジダや淋菌、膣トリコモナスなどの性感染症の疑いがあります。加えて、膣カンジダの場合は水分量の少ないポロポロとした状態のおりものになることもあるので、該当する症状があれば検査することをおすすめします。

妊娠中のおりもの

しばらくおりものの量が多い期間が続くと妊娠の可能性があると解説したように、妊娠中はおりものの量が増加することが多いです。おりものの量が増えることで、通常以上に膣から細菌が増殖、侵入することを防ぐことができ、より妊娠を安全なものにするという効果があります。

また、量の増加以外にも、妊娠中に見られるおりものの変化は下記のようなものです。

  • においが強くなる
  • 色が濃くなる
  • 水っぽくなったり粘度が高まったりと形状が変わる

これらの変化は妊娠中にあり得るものなので、過剰に心配する必要のないことが多いです。ただし、併せて痛みや強いかゆみを感じたり、血が混ざっていたりするときには早めに病院を受診してください。特に、妊娠中のおりものに血が混ざっている場合、早産の可能性もあるため一刻も早く受診すべきです。

また、妊娠中のおりものの変化は人によって出現する時期も異なり、妊娠初期から変化を感じる人もいれば、妊娠中期になってから変化を感じ始める人もいます。

異常を感じたらすぐに病院へ

この記事では、生理周期の中でのおりものの変化や、注意すべきおりものの状態について解説しました。おりものは臭いや下着の汚れが気になるなど煩わしいマイナスなイメージがあるかもしれませんが、細菌の侵入を防いだり妊娠の成立をサポートしたりする重要な役割を担うものなので、上手に付き合っていかなければなりません。

日頃からおりものの状態を確認するようにすると、生理日や排卵期の予測や、身体の異常などを見つけることにも役立ちます。普段からおりものの様子をチェックして、不安なことがあれば病院を受診するようにしましょう。

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