シトルリンは今や精力剤をはじめ、様々なサプリメントに配合されています。
精力剤にもシトルリン配合の商品は多く、僕もヴィトックスαやゼファルリンなどシトルリン配合の精力剤は何度も試しています。
また、ペニス増大サプリにも定番の成分です。
そんなシトルリンですが、アルギニンと血縁関係にあるほど近縁の成分です。
というより、ほとんど同じと考えてもいいでしょう。
シトルリンとアルギニンの精力や勃起力への効果は全く同じです。
違うのは、効果の度合いです。
それを踏まえて、シトルリンが精力増強や勃起力増強にどのように関わっているのか、詳しく解説していきます。
シトルリンはアミノ酸の中でも特別な存在
シトルリンは1930年に日本でスイカから発見され、当初は医薬品原料として医学界で研究されていました。
しかし、研究の結果、毒性が低いことがわかり、現在では医薬部外品原料として認可され、精力剤やサプリメントなど様々な製品に使用されています。
シトルリンはアルギニンと同様、アミノ酸の一種で、体内で生成できる非必須アミノ酸です。
しかし、シトルリンは特殊なアミノ酸で、遊離アミノ酸に分類され、アルギニンとは異なる点です。
通常のアミノ酸は、アミノ酸同士が結合してタンパク質を形成しますが、遊離アミノ酸は他のアミノ酸と結合せず、単独で体内存在します。
「必要な時に動けるように！」という役割があり、オールマイティーな役割を担っています。
シトルリンはそんな重要な成分なのです。
ちなみに、GABAやオルニチンといった成分も遊離アミノ酸の一種です。
シトルリンの精力増強・勃起力増強効果について
冒頭で説明したように、シトルリンとアルギニンは精力増強や勃起力増強に似た効果を発揮します。
一酸化窒素（NO）の増加による血流改善効果
血管を拡張するNOが増えると、血流が改善され勃起に効果的です。また、血中の一酸化窒素が増加することで、勃起に最も重要なサイクリックGMPが増加する。
成長ホルモン分泌による生殖機能の正常化
成長ホルモンには、生殖機能を維持し正常化する働きがあります。成長ホルモンの分泌が増えると、男性ホルモンを分泌する機能がスムーズに働くようになり、精力増強につながります。
以上、シトルリンの効果として、精力増強と勃起力増強の2つが挙げられます。詳しい説明は、アルギニンの成分効果をご覧ください。
シトルリンには他にも疲労回復、アンチエイジング、冷え性改善などの効果もありますが、これもアルギニンと全く同じ理屈です。
では、なぜシトルリンとアルギニンが同じ効果を持つのか、シトルリンとアルギニンの関係を用いて簡単に説明します。
シトルリンとアルギニンの関係
シトルリンとアルギニンは名前は違えど、同じような働きをするのですが、簡単に言うと「変身前と変身後」のような関係です。
シトルリンが外から取り込まれると、体内でアルギニンに変換されます。厳密には、体内でアルギニンが必要になると、シトルリンはアルギニノコハク酸という物質に変化し、アルギニンに変化します。
シトルリンは、体内に取り込まれるために、アルギニンに変化し、またシトルリンに戻ります。
このように、シトルリンとアルギニンはお互いに変化し合いながら、その役割を担っているのです。
ただし、一酸化窒素や成長ホルモンの効果を発揮するのはアルギニンであり、アルギニンがシトルリンに変身するのは、アルギニンがシトルリンに変身したときだけなのです。
どうせアルギニンに置き換わるなら、シトルリンを摂る意味があるのか、と思われる方も多いでしょう。
しかし、ここがシトルリンとアルギニンの大きなポイントであり、シトルリンが注目される理由でもあるのです。
シトルリンはアルギニンより30%も効果が高い
シトルリンとアルギニンの研究により、シトルリンを摂取した場合の方が、アルギニンを摂取した場合よりも体内のアルギニン濃度が30％高くなることが報告されています。
つまり、アルギニンを直接摂取するよりも、シトルリンを摂取してアルギニンに変換した方が、より効果的であることが判明したのです。
密接な関係にあるこの2つの成分に、なぜこれほどの違いがあるのでしょうか。
アルギニンは外部から摂取すると、そのほとんどが肝臓で代謝され失われてしまいます。一方、シトルリンは代謝されにくいため、肝臓に耐えることができるのです。
この差が、アルギニンとシトルリンの30％の差です。
もちろん、その人の体質や体調によって差は出ますし、成分や組み合わせによって吸収率は変わりますし、差は出ます。
上記はあくまでも、アルギニン単体とシトルリン単体の比較です。サプリメントや食品において、アルギニンやシトルリンなどの成分を単体で摂取することはあまりないと思われます。
栄養学的に見ても、成分の組み合わせによる相乗効果や吸収率の変化は重要です。
つまり、「アルギニンよりもシトルリン配合の精力剤が良い」ということなのです。この点には注意が必要です。
シトルリンは毒性が低く、副作用がほぼない
シトルリンは、一酸化窒素や成長ホルモンに作用して精力や勃起力に様々な効果が期待できる成分ですが、摂取に伴う副作用やリスクはほぼ皆無です。
限りなくゼロに近いと言えるでしょう。
ヨーロッパでは医薬品成分として扱われるため、少し不安を感じる方も多いかもしれませんが、日本では健康食品成分として位置づけられ、「比較的安全で、国が指定するほど危険なものではない！」とされています。
実際、日本で認可されて以来、さまざまなサプリメントが販売されていますが、毒性や人体への深刻な副作用は報告されていません。
もちろん、何事も過剰摂取は禁物です。
大きな副作用がないとはいえ、飲み過ぎれば何が起こるかわかりません。
そんな安全な成分であるシトルリンですが、摂取に注意する人はゼロではありません。
シトルリン血症という、体内のシトルリン濃度が異常に高くなる病気の人は、飲んではいけないとされています。
この病気は尿素回路（尿が作られるサイクル）の異常で起こるのですが、シトルリンを摂り過ぎてもシトルリン血症にはならないと考えてよいでしょう。
もうひとつ気をつけたいのは、血圧に異常がある人や治療中の人です。
シトルリンは一酸化窒素の産生を促し、血管を拡張させる作用があります。つまり、血圧を下げる作用があるので、高血圧で降圧剤を飲んでいる人や、医師から低血圧と指摘されている人は注意が必要です。
血圧の問題で受診されている方は、シトルリンの摂取を決める前に医師に相談しましょう。
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