精力剤にも種類があることをご存知でしょうか？これを知らずに何の気なしに精力剤を飲んでしまうと、「全然効果が感じられない…」とがっかりしてしまうことも。
そこで、このページでは、そんな失敗を防ぐために、精力剤の種類について解説します。
そもそも「精力剤」とは、男性の下半身を元気にすることを目的とした医薬品や健康食品の総称です。
ある程度の年齢になると出てくる勃起不全や精力減退を吹き飛ばすだけでなく、人には相談しにくい早漏や遅漏を改善する効果もあるそうです。もちろん、誰もが想像する性欲増進やペニス増大の効果も期待できます。
そして、精力剤は大きく分けると三つの種類に大別されます。
- 強精剤
- 強壮剤
- 勃起薬
- サプリメント
この3種類になります。ちなみに媚薬も広義では精力剤に含まれますが、定義が曖昧なのでこちらでは解説は割愛します。
1.強精剤
強精剤は男性ホルモンの補給を目的とした精力剤です。
男性ホルモンは男性機能に大きな影響を与えます。実際、更年期の男性機能低下はこの男性ホルモンの現象とも密接な関係があります。
この強精剤は、メチルテストステロンなどの男性ホルモンとして機能する成分や、男性ホルモンの分泌を促す成分が含まれています。
ホルモンに直接働きかけるため、医薬品認定されている精力剤が多いのも特徴です。副作用が存在するものも多いです。
一般的に、強精剤は性機能障害や不妊症の治療を目的として開発されています。これらの製品には、自然由来の成分や化学物質が含まれていることがあります。
一部の強精剤には、亜鉛、アルギニン、マカなどの栄養素や植物エキスが含まれている場合があります。
強精剤は、勃起不全（ED）や早漏、精子の運動性の低下など、性機能の問題を抱える男性にとって有効な治療法となる場合があります。
ただし、効果や安全性には個人差があり、使用する前に医師との相談が重要です。
また、強精剤は一時的な解決策であり、根本的な問題の解決にはならない場合もあります。
2.強壮剤
強壮剤は体内機能を高めるタイプの精力剤です。
強壮剤は漢方やドリンク、サプリメントタイプのものが存在します。一般的に精力剤と言えばこちらを指します。
別名では滋養強壮剤、精力サプリメントとも呼ばれています。
体内機能を高める効果がメインであるため、性機能以外にも体力向上、健康回復などの効果も期待できます。
天然成分がメインであるため、副作用が存在しないのが最大の魅力です。
普通の健康食品と違うのは、成分が精力増強に適した配分になっている点です。マカやクラチャイダム、亜鉛、アルギニンなどが豊富です。
精力サプリメント
精力向上を目指すサプリメントには、さまざまな成分が含まれています。これらの成分は、男性の性機能の改善や、エネルギーの増加、ストレスの軽減などを目的としています。以下は、精力向上に対して効果が期待できる成分と、それを含む代表的なサプリメントの例です。
- L-アルギニン: L-アルギニンは、血流を改善することで、勃起機能のサポートが期待できる成分です。また、筋肉の成長を助ける作用もあります。これを含むサプリメントとしては、DHCの「マカ」や、ノエビアの「スタイルビジョン」などがあります。
- 亜鉛: 亜鉛は、男性ホルモンのテストステロンの生成をサポートする重要なミネラルです。亜鉛が不足すると、性欲の低下や勃起機能の低下などが起こりやすくなります。亜鉛を含むサプリメントとしては、DHCの「亜鉛」や、Nature Madeの「マルチビタミン&ミネラル」などがあります。
- マカ: マカは、ペルー原産の植物で、エネルギーの向上や性欲の増進が期待できると言われています。これを含むサプリメントとしては、DHCの「マカ」や、ファンケルの「マカEX」などがあります。
- シトルリン: シトルリンは、血流を改善することで、勃起機能のサポートが期待できる成分です。また、疲労の回復や、運動能力の向上も期待できます。これを含むサプリメントとしては、DHCの「シトルリン」や、ファンケルの「アミノ酸」などがあります。
これらのサプリメントは、精力の向上や性機能の改善を目的としているものの、医薬品ではないため、効果には個人差があります。
3.勃起薬
勃起薬は直接的に勃起を促す精力剤です。勃起不全（ED）や性的機能障害に対する治療に使用される薬物を指します。
これらの薬物は、男性の勃起能力を改善し、性的な活動に十分な勃起を達成するのに役立ちます。
一般的に、勃起薬はホスホジエステラーゼタイプ5（PDE5）阻害剤として知られる薬物が使用されます。
こちらはバイアグラ、レビトラ、シアリスなどが非常に有名です。ED治療にも用いられる医薬品であり、別名ED治療薬とも呼ばれます。
飲むとすぐに効果が出る即効性の高さが魅力です。
ただし、勃起薬は、性的刺激がある場合にのみ効果を発揮します。つまり、性的な興奮がない状態では勃起が生じないため、勃起薬自体が性的欲求を引き起こすものではありません。
勃起薬の効果は非常に強力なのですが、効果には有効期限があり、バイアグラの場合は5～6時間程度しか持ちません。
また軽度ですが副作用が存在することもあり、あくまで切り札といった感じの精力剤です。常時頼りきりは避けたいところです。
勃起薬の使用には注意が必要であり、医師の指示に従って使用することが重要です。医師は、個々の状況に合わせて最適な治療法を提案し、必要に応じて勃起薬を処方することができます。
適切な用量と使用方法を守ることで、効果的かつ安全に利用することができます。ただし、勃起薬には副作用や相互作用があり、特定の健康状態や他の薬物との併用によるリスクが存在する場合があります。
勃起薬にはいくつかの種類があります。
第1類医薬品
第1類医薬品は薬局やドラックストアで購入でき、薬剤師の説明を受けて購入することができる医薬品です。第1類医薬品は厚生労働省に認可されており、効果と安全性が確認されていますが、正しく使用することが前提となります。
精力に関連する薬として、メチルテストステロンを主成分とする第1類医薬品があります。メチルテストステロンは男性ホルモンを補充する薬であり、代表的な製品にはヴィタリス製薬株式会社より発売されている「外用ホルモン塗布剤オットピン」「オットピン-S」という塗布薬や、摩耶堂製薬株式会社の金蛇精という糖衣錠があります。
しかし、「オットピンシリーズ」には清涼飲料水としての「オットピン亜鉛MAXドリンク」や栄養補助食品としての「オットセイマカカプセル」もありますが、これらの製品にはテストステロンは含まれていません。
第２類医薬品
第2類医薬品は、薬剤師または登録販売者がいる薬局やドラックストアで購入できる医薬品で、効果と安全性が厚生労働省によって確認されています。副作用や使用方法に関する説明を受けて使用することが推奨されています。
精力に関連する第2類医薬品としては、主に滋養強壮剤や肉体疲労回復剤があります。これらの製品は、生薬や動植物由来の成分が含まれており、肉体疲労、病中病後の回復、栄養補給などの目的で使用されます。効果としては、体力の回復や疲労の軽減、栄養補給などがあります。
代表的な製品としては、佐藤製薬の「ユンケル黄帝液」や大鵬薬品の「チオビタゴールド」などがあります。これらの製品は、様々な生薬やビタミン、ミネラルなどが含まれており、体力の回復や疲労の軽減、栄養補給に効果があります。
勃起薬としての第2類医薬品は、主に体力の回復や疲労の軽減を目的として使用されることが多いです。これにより、性機能の向上や勃起の改善が期待できる場合があります。
第３類医薬品
第3類医薬品に分類される勃起薬とは、薬剤師または登録販売者のいる薬局やドラックストアで購入することができ、厚生労働省によって効果と安全性が確認された医薬品のことを指します。第3類医薬品は、副作用が比較的軽い成分が配合されており、ビタミン類似物質や肝臓分解物、熟成ニンニク抽出成分などが含まれていることが多いです。
勃起薬としての第3類医薬品には、滋養強壮剤や肉体疲労回復剤が含まれており、これらの製品は、疲労回復や栄養補給、体力増進を目的として使用されます。具体的な製品としては、アリナミンEXplus、ヘパリーゼドリンクⅡ、チョコラBB ドリンクⅡ、キヨーレオピンなどが挙げられます。
これらの製品に含まれる成分は、体力の回復や疲労の軽減、栄養補給に効果がありますが、直接的な勃起の改善や性機能の向上を目的としたものではありません。したがって、勃起不全の治療薬としての効果は期待できないと考えられます。
指定医薬部外品
指定医薬部外品に分類される勃起薬は、規制緩和により薬局やドラックストアだけでなく、コンビニなどの小売店でも購入できるようになった製品で、厚生労働省によって効果と安全性が確認されています。副作用のリスクが比較的低いとされています。
勃起薬としての指定医薬部外品は、主に滋養強壮や疲労回復、栄養補給を目的とした製品であり、直接的な勃起の改善や性機能の向上を促すものではありません。しかし、身体の疲労が解消されたり、栄養状態が改善することで、間接的に性機能の向上が期待できる場合があります。
女性向けの精力剤
女性向けの精力剤として販売されているものには、主に「女性向け栄養ドリンク」、「女性向け栄養サプリメント」、「ビタミン剤」があります。これらの商品には、医薬品と食品の2つのカテゴリが存在します。
特に女性の場合、慢性的な疲れや疲労感、やる気の低下の原因の一つとして「鉄欠乏」が挙げられます。月経によって毎月多くの血液と共に鉄も失われるため、鉄剤を摂取していない女性の多くが鉄欠乏状態にあります。鉄は赤血球の生成に必要なミネラルであり、不足すると慢性的な疲れや疲労感を引き起こす可能性があります。そのため、女性向けの精力剤や栄養剤には鉄が含まれていることが多いです。
一方で、鉄は吸収率が低い成分ですが、ヘム鉄という形態の鉄は吸収率が高いとされています。ヘム鉄はタンパク質で包まれた状態であり、サプリメントなどで摂取することで効率的に鉄を補給することができます。
さらに、40代以降の女性は更年期障害により慢性疲労ややる気の低下などを感じることがあります。これは女性ホルモンの分泌が急激に低下することでホルモンバランスが崩れ、さまざまな症状が現れるためです。女性の更年期治療としては、医師の処方によるホルモン補充療法（HRT）がありますが、その容量調整は非常に難しく専門医の指導が必要です。また、副作用の少ないナチュラルホルモンを用いた治療も存在します。
このように、女性向けの精力剤としては、鉄やビタミンなどを含む栄養補助食品が主に存在し、これらの商品を通じて女性特有の慢性疲労や更年期障害の症状の緩和を図ることができます。
女性の性欲や性行為の快感を向上させる成分や薬剤に関しては、世界的にその効果が科学的に確認されているものは限られています。しかし近年、米国でいくつかの製品がFDAの承認を受けており、女性の性的欲求低下障害（HSDD）の治療に用いられています。
1つ目は「アディ（Addyi）」という医薬品で、有効成分はフリバンセリンです。この薬は2015年10月にFDAによって承認され、女性のHSDDの治療薬として市場に出されました。しかし、この薬は毎日服用しなければならず、副作用も40%以上の割合で吐き気やめまい、眠気などが報告されています。これらの要因から、売れ行きは良くなく、現在でも話題になっているわけではありません。
2つ目は「バイリーシ（Vyleesi）」という自己注射薬で、有効成分はブレメラノチドです。この薬は2019年6月にFDAによって承認され、性行為の45分前に腹部または腿に注射して使用します。
これらの薬剤は、女性の性的欲求低下障害（HSDD）の治療に用いられるものであり、科学的に効果が認められています。
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